ナナシス劇場版はナナシスという壮大なお話の体験版だ

初めましての方は初めまして、そうでない方はいつもお世話になっております。あたもると申します。

2021年2/26日、「Tokyo 7th シスターズ -僕らは青空になる-」が公開されたので観にいってきました。その感想となりますよろしくお願いします!

 

はい、いきます

観終わった感想としては「悪くない!」の一言ですね。

えっそんだけ?なんか低くない?私もぶっちゃけこの評価を下すのに躊躇いがあるんですがまあ正直な感想としてはこんな感じです。

 

シンプルに褒めるべきポイントとしては、まずキャラが可愛い!

作画方面は申し分のない出来上がりでとても良かったです。ゲームで静止画で喋るキャラたちに慣れているので、さらにそこに動きがつくと試聴している時の満足感が違いますね。日常パートは一人一人本当に丁寧に動かしてるなっていうのが伝わる映像でした。

ハル、ロナ、モモカ、スース、スミレ、シンジュあたりが特に良い味出してましたね。昔から思ってますがやっぱりナナシスの絵系の製作側に絶対モモカ好きがいるだろっていうのが今回も伝わるくらいモモカがかわいく描かれてる気がしました。

ライブシーンもかなり良い感じでした。カット割などがとにかく丁寧。

他アイドル系であるようなぐいんぐいんカメラを動かしたりなどのド派手なシーンこそ無いものの、振り付けが今までライブでキャストさん方が踊っていたものであったりとコンテンツに触れてきた人はかなり楽しみの奥行きというか見応えがあって良かったです。とにかくライブに行きたくなりましたね……

 

さて演出、脚本面についてです。ナナシスという作品が作品なのでこっちがメインになっちゃいますね

 

これはもうこの記事タイトル通りです。あくまで体験版にとどまったな、と言ったところ

言葉にするならば、ナナシスという作品の核たる概念を少し切り取って1時間で完結するようにお話に乗せた感じ。Tokyo 7th シスターズが持つ、アイドルもの作品としてはちょっと異質な雰囲気をあくまでライトに伝える映画だったなと思います。だから体験版

既プレイヤー向けにし過ぎず、新規に配慮してることがすごく伝わりました。

今までアイドルものの映画ってアニメという地盤があったうえでの劇場版という流れがほとんどなので、言ってしまえばナナシスは新規の単発アニメ映画なんですよね。だったら時間を長くしても誰もついてこれないし、大衆エンタメとしてはこのサイズ感で間違ってはないのかな、と。

とはいえやっぱり思うところもあり……

正直ナナシスゲーム本編の重み厚みを知っているので1時間ちょっとの映画に深度を求めるのは酷だとは思うんですが……やっぱりナナシス特有のメッセージ性をもっとじっくり味わいたかったというのが率直な意見。

全体的に展開が早いですね。キャラ紹介も兼ねた日常パート⇨敵出現⇨抗戦⇨決断⇨ラストシーンという構成ですがなんとかギリギリまとめきった感。

本来ナナシスはそんなにサクッと見れる作品では無いので仕方ないんですが、見てる自分も映画内のキャラも情緒がジェットコースター気味だなと感じました。もうちょっと余裕が欲しいですね。

最近本編で似た作りの6.0エピを読んだ後なので余計にそう感じてる気がします。まあ6.0エピ6話だけで映画の倍くらい尺あるしな……

1時間という制限の中では多少のキャラの誇張と改変は目を瞑りますしそれで良いと思いますが、やはり本編で個人の成長を丁寧に描いていただけに、1時間に無理やりまとめて777☆S各個人の厚みが薄まってしまうのはどうしてももったいない気がしてならない…

セリフ読みも早いですね。良くない感想ばかりでなんとも言い難いんですが早い。行間と余韻が欲しい!!特にラストのゲームから引用してきたアレ

やっぱり何度も聞いているので映画の早さに違和感を感じてしまいました。77分にこだわったのはわかるんだけどせめて主題歌はフルで流してほしかった。Departures、サビのメロディの気持ちよさがマジで秀逸ですよね。2番サビの歌詞も劇場で味わいたかったんじゃ……

とまあちょっと良くないところばかり言っちゃったんですけど勿論良いとこもあって、キャラ個人の成長と直接関係のないような、文脈の乗らないようなシーンは解像度が高くて良いし、所々に触れてきた人向けのネタというか演出が仕込まれてて楽しく観れました。映画自体の流れが急なので味わう余裕がなかなか見つけられないのですが、1つ1つ拾い上げれば良いところはめちゃくちゃたくさんあります。

個人的に最高だったポイントは、僕青のシーンの前のピアノイントロが2ndアルバムで何度も聴いたアレだったところですね。

最初のフレーズだけで「これから僕青が始まるんだ」という高揚感に包まれる感覚、あの澄み上がるようなワクワク感がやはりナナシスらしくとても心地良い。最高

2ndアルバムでは「Intro -to be the Blue Sky…-」だったのに対し、サントラでは「Outro -to be the Blue sky-」なんですよね。ハルちゃんのタイトルコールがないからイントロではなくアウトロなのか、それとも何か別の意味でのアウトロなのか、何でしょうねこれ。解釈は尽きませんがとりあえずここで数年前のアルバムでやったことと同じことを今またやってくるっていうのがすごく刺さったお話です。2ndアルバムのHAVENと僕青の特殊イントロマジで好きなんですよね

 

 

長々と書かせていただきました。上記の感想はあくまでナナシスにどっぷり浸かってきた私個人の感想であり、ライトにナナシスを楽しんでいる層や今回映画で初めてナナシスに触れたというような方々とは明らかに違った視点で見ているんだろうなという自覚があるので、世間の反応がとても気になります。

このお話の展開はやはり急さを感じるのか、内容にどれくらいの重さを感じるのか(重さが気に入った人は是非ゲーム本編をやってください)、逆にこれくらいがもしかしたらちょうど良いのか。気になるのでみんなナナシスの映画を見てください。こんだけ書いといてアレですが普通に楽しめる作品です。

 

あ〜〜〜〜〜劇場版ナナシス鬼滅の刃みたく超弩級のヒットを飛ばして観に行った人が溢れる世の中にならないかしら。ここまで読んでいただきありがとうございました。ではまた。

 

 

 

 

 

 

どうしても言いたかったのでこっそり補足。ちょっとバレ注意かも?

 

 

 

6.0とお話の構成的に似た作りの映画でしたよね。利益を度外視して予想外とされる選択を取る人間は存在する(うろ覚え)やアイドルはアイドルじゃなくてもいいのくだりなど、節々で6.0で見たフレーズが散らばっていたのでやっぱり当初の予定通り夏に映画を観て軽く耐性をつけた後に年末に6.0をドッと受け止めたかったところはありますよね。