ときのそら「スタースタースタート」がスゴい

タイトルの通りです

3月6日、ときのそらミニアルバム「STAR STAR☆T」より、ナユタン星人さん作詞作編曲の楽曲「スタースタースタート」のMVが公開されました。

ときのそら黎明期をひときわ明るく照らした太陽系デスコの歌ってみたから6年近く経った今、ナユタン星人本人から書き下ろされる最新曲という位置付けで期待もかなり高まっていましたが、実際公開された曲もMVも本当にとても良かったのでここに感想文を書き記したいと思います。

はい、いきます。

 


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まずは曲の面から!

とにかくパワフルな歌声ですごい。ときのそらちゃんと言えば、Vtuberという存在が生まれた初期から歌声を大きな武器としてずっとやってきましたが、いやあここまで伸びるか…

アルバムティザーで聴いた時点でかなり様子のおかしい高さをしているな?と思っていましたが、まさかラスサビでまだ上がるんかい!ってなりました。いや太陽系デスコも転調するけども!このキーでの転調って人間に書き下ろす曲で許されるんですね。

 

この高さの音を裏声で出すんじゃなくて、地声で思いっきり張ってその高さに届かせるっていうある意味脳筋的というかレベルを上げて物理で殴るみたいなことをやってるそらちゃんですが、それがマジで通用するというか、使いこなせるもんなんだなあという驚きが最近のそらちゃんの歌声を聴いてると本当にあります。そりゃ高音の化け物って言われるわ。人間ってすごいですね

 


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聴き比べるとわかる。明らかに歌い方が変わっている

 

 

スタースタースタート、本人も持ち歌史上最高音ということでハイトーンが注目されがちですが「はぁ〜、これは困った!」とか「嘆かわしい……」とか「しちゃうぞ!?」とかみたいな歌い方のバリエーションも節々に細かくあって聴いてて楽しいですね。

私は「めちゃめちゃ待機……!」の半角カナ感が好きです。メチャメチャタイキ…

 

先ほど紹介したそらちゃんの太陽系デスコは歌みた音源ではもちろん、TUBEOUT vol.1をはじめとしてライブで聴いた思い出が色濃い人も多いんじゃないでしょうか、そんな曲の文脈を汲んで曲を構成しているのがわかると大変エモくて良いですね。聴いてて本当に楽しい!

歌い出しからもう「我らの宇宙(そら)のはじまりは」ですし、太陽系デスコの「あの一等星の」に合わせた「一!等!星!」のフレーズは言わずもがな、そして「第三の惑星はこのときのためのスター!」のフレーズ。

これめっちゃ好きなんですよね。第三の惑星は太陽系の第三惑星である地球のこと。

太陽系という星々に対して地球というあくまで主観的というかこちら側の視点、これは私の解釈ですが、ときのそらは夜空に輝く星々というよりはずっと地に足をつけて走ってきた存在というイメージがあるので、そういう関係性なのがいいなと思います。「それはきっとあの星のように」なんだよなあ……

 

落ちサビの、目の前にずっとあるこの星はあなたなしじゃ超新星爆発してたけど、今日まで続いた!そしていっそう光度をまして輝く一等星!っていう歌詞の展開が、あなたがいたからここまで続いてきたし、これから一層輝きを増していく…っていう意味に繋がることがめちゃくちゃ良いなと思いました。

夜空の星の輝きはその星が遠くで光った過去の輝きが届いたものでありますが、この曲は2018年に太陽系デスコで輝いた光が数年越しに届いたきらめきなのかもしれないと思うと、やっと今このタイミングでナユタン星人さんから提供曲が来たのもそういう事なのかもしれないなと思うのでした。いや正直待ってましたよ

 

これはナユタン星人さんの作風の話ですが、本人らしい歌詞の世界観と言葉遣いの独特で突飛なかわいさが全面に出ていてめっちゃ好きです。

「するぞ?しちゃうぞ!?あなたに言ってますっ!」とか「みてる?きーてる?」みたいな文字からでも伝わる不思議な可愛さがいいですよね。

とくに2番Aメロが良くて、ここの歌詞が恋する女の子的でもあり、Vtuber的な発信者っぽくもあって、可愛さが絶妙だなと思いました

あと「デデデ電波を送信」の譜割りがエイリアンエイリアンの「タタタタイトロープ」、太陽系デスコの「ランバダルンバ」の合わせ技みたいになってて、響きの耳への馴染み方が良かったのが個人的になんか良かったですね

ときのそらに書き下ろすという要素がなくても聴けるくらい曲として成立しつつ、先の落ちサビの要素などが最終的なピースとしてハマって完成する感じが、曲としてのクオリティの高さを感じてとても好きなポイントです。シンプルにめちゃくちゃいい曲

 

 

ここからはMVについての話で、このMVを見た時、懐かしさとワクワクを感じました。

そりゃ太陽系デスコオマージュなんだから懐かしくて当然だろうがっていうのはそれはそうなんですけど、歌ってみたのを通り越して、その太陽系デスコの原曲から続く動画自体の雰囲気になんとなく懐かしさを覚えたんですよね。

 

ナユタン星人さんのMVって、一色の背景に歌詞をアニメーションで出して手前に一枚絵を置くという、あまりにシンプルな形式ながらミュージックビデオとして高い表現をこなさせる技法で有名かつそのスタイルの草分けともなった存在で、その技法は友人Aさん制作のそらちゃんの太陽系デスコのMVにも、本家のモチーフという形でありつつ備わっていた要素でありました。

この「シンプルな技術で最大限の表現を」というスタイルが今回のMVにも感じられて、改めてスタースタースタートのMVからは太陽系デスコの歌みたが出た2018年当時の、技術が伴ってなくて今の尺度で言えば”シンプル”の域を出てなかった初期のVtuber界隈の雰囲気を感じたんですよね。

これがワクワクの正体だったんだと思います。発展途上真っ只中だったあの頃のワクワク感はあの頃にしかなかったものだなと…今がどうとか言うわけではもちろんないですよ

 

今ならもっともっとインパクトのある映像演出や技術を盛り込んだMVを作ることも可能であったはずなのに、空気感をそのままに丁寧に丁寧にブラッシュアップされたスタースタースタートのMVが私はとても好きなんですよね。すごく贅沢なことだと思います。

情報量を減らすからこそ逆に何度も見たくなる効果といいますか、実際曲自体もリピートをしつつ、視覚も必要になるMVでもかなりの回数を見ていて自分でもびっくりしてて。

サビに入るのにカメラアングルすら切り替わらないの逆に凄いなと思うんですけど、むしろ見応えがずっと続いててよくできてるなと思います。振り付けもそらちゃんの表情も可愛い。本当に細かくて凄い。

 

以下私のお気に入りそらちゃんです

開幕です。動きも表情もかわいい。

このドヤ顔とアンニュイの狭間みたいな顔好き

ジト目たすかる

 

ラスサビの一!等!星! 振り付け変わるのは全人類が好き





まとめ

懐かしいのにこれが最新という嬉しさ、これに尽きます。

2018年の太陽系デスコの公開から6年越しの今2024年に、本家が文脈を汲んで書き下ろしたオリジナル曲を聴けることって本当に素晴らしくて幸せなことだなあと思いました。

Vtuberブーム最初期から走り続けていてなお、最新曲で本人史上最高音を叩き出すという常に今が最高と言える状態で活動できることの凄まじさ。

本当に「いっそう光度をまして輝く一等星」を地で行く存在ですね。スゴいわそらちゃん……